目次
生徒自治活動アワード/優秀賞/2025年第1回
都道府県 | 滋賀県 |
学校の郵便番号 | 〒524-0051 |
学校の住所 | 滋賀県守山市三宅町250 |
学校の正式名称 | 立命館守山中学校・高等学校 |
活動年月 | 2025年1月〜現在 |
所属団体名 | 生徒会執行部(体育祭実行委員会) |
活動内容
活動タイトル |
生徒の個性を爆発させる。 |
活動概要(背景、目的) |
私が体育祭実行委員長を務めた背景には、「究極の自由」という信念があった。他者の自由を侵さない範囲で個性を最大限発揮できる環境をつくることを目標に、全校生徒が主体的に関われる体育祭を実現したいと考えた。これまでの体育祭は「決められた運営」に従う色が強く、実行委員(執行部)が進める内容に対して生徒の意見が反映されにくい状況があった。私はその構造を変え、対話を通じて生徒全員が自分ごととして参加できる場にすることを目的とした。総じて、私が体育祭で取り組んだことは「対話による意思決定」「全員参加の仕組み」「挑戦の機会の拡大」「持続する改善」の4点に集約できる。背景には、従来の体育祭に見られた一方的な運営への課題意識があり、目的は「生徒一人ひとりが自由に個性を発揮し、挑戦を通じて成長できる場をつくる」ことだった。実行委員長としてこの信念を形にする過程で、私は組織の運営には「意見を集めて調整する仕組み」と「挑戦を後押しする環境」の両方が不可欠であると学んだ。この経験は、体育祭を単なる学校行事にとどめず、生徒が主体性や協働性を体感できる教育的な場へと昇華させたと考えている。 |
活動の特徴・工夫した点(具体的な内容) |
活動の第一歩は「対話の場づくり」だった。従来は一方的に決定事項を伝える形が多かったが、私は各クラスに足を運び、生徒の意見を直接集める仕組みを取り入れた。また、全校アンケートを実施し、競技の形式や応援方法、ルールの改善点など幅広く意見を集約した。これにより「委員会だけが進める体育祭」から「全員が参加してつくる体育祭」へと意識を変えていった。 さらに、意思決定のプロセスに「投票」を導入した。従来は実行委員会で合意した案をそのまま適用していたが、私は生徒全体に選択の機会を与えるべきだと考えた。例えば、応援合戦の演出方法や競技の順番については複数案を提示、または、団長やダンス考案人などと対話し、アイデアを考え、全校投票によって決定した。これにより「自分の意見が反映されている」という実感が生徒に生まれ、体育祭へのモチベーションが向上した。 運営面では「安全と自由の両立」を重視した。体育祭を生徒主体の行事にするうえで欠かせなかったのは、全員が安心して参加できる環境を整えることだった。従来は教員が一方的にルールを決定していたが、今年は実行委員会が中心となり、生徒自身がルールを考え議論する仕組みを導入した。例えば、グラウンドでの落下物による怪我や授業・部活動への支障を避けるため、ポンポンやモールなど「落ちる可能性のある装飾品」は全面禁止とする案が出された。 しかし一方で「団を盛り上げるにはどうしてもポンポンが必要だ」という声も多く、意見は対立した。そこで実行委員長からは「切れ端が落ちてしまうと掃除や安全面で負担が大きい」という理由で禁止の方針を示したが、その後ある生徒から「落ちないポンポンを工夫して作れば良いのではないか」という提案がなされた。後日、具体的な製作方法を示した提案書が提出され、最終的に安全性を確保したうえで使用が認められることになった。このプロセスは単なる小道具の是非を超え、生徒たちが「ルールの意義」を理解し、互いの自由を尊重しながら解決策を模索する体験となった。運営の完成度だけを追うのではなく、生徒一人ひとりが自ら考え、責任をもって関わる姿勢を育むことが、今年の体育祭の大きな目的だった。 また、私の活動の目的には「持続性」があった。体育祭は1年限りのイベントで終わりがちだが、私は「来年以降も改善が積み重なる仕組み」を残したいと考えた。そのため、すべての資料の形式を統一、保管し、決定過程や改善点などは詳細に記録した。これにより、次年度以降の委員が同じ課題で迷わずにすみ、新しい工夫を加えやすくなる。体育祭を「一代限りのイベント」ではなく「進化し続ける仕組み」として残すことを意識した。 |
実現できたこと、できなかったこと |
■実現できたこと 「他者の自由を侵さない、究極の自由」という理念を掲げた体育祭の運営を実現 ・開会式で全校生徒に向けて理念を発表し、行事全体の共通認識をつくった。 ・「自由」とは好き勝手ではなく「他者を尊重すること」と定義し、ルールや運営の基盤にした。 生徒全体の意見を取り入れる仕組みを導入 ・全校アンケートを実施し、競技・応援方法・ルール改善の意見を集めた。 ・集めた意見を実行委員会だけでなく全校で共有し、反映できる体制を整えた。 意思決定に「投票」を導入 ・従来の「委員会だけで決定」から「全校生徒が参加する意思決定」へと改革。 ・この仕組みによって「自分の意見が反映された」という納得感とモチベーションを生徒に生み出した。 ルール作成を生徒主体で行った ・最重要ルール3点を明確化(①落下物による怪我防止、②競技中の事故防止、③楽しめる環境と肖像権配慮)。 ・ポンポンや髪飾りなど落下物は禁止としたが、生徒から「落ちないポンポン」の提案があり、提案書を受け取った上で許可。 ・「ルールは縛るためでなく互いを尊重して楽しむためにある」ことを生徒が実感する機会をつくった。 対話的な運営を実現 ・団長やダンス考案者など当事者との直接対話を行い、意見をすり合わせた。 ・「委員会が決めて押し付ける」形ではなく、「一緒に考えて合意形成する」プロセスを徹底。これにより、生徒全体に「運営の当事者意識」を広げることに成功。 挑戦の機会を全員に提供 ・運営に関する議論や提案に誰でも参加できる仕組みをつくった。 ・「ポンポン使用の再提案」のように、生徒が自ら考えて責任を持ち提案できる場を保障した。 ・単に競技に参加するだけでなく「運営を担う」という挑戦機会を広げた。 運営の記録・仕組みを次年度に残した ・議論や投票、決定プロセスを記録し、マニュアルとして整理。 ・次年度以降の実行委員が迷わず改善点を引き継げる「持続する仕組み」を残した。 生徒自治としての体育祭を成立させた ・進行の不備や失敗はあったが、それ以上に「生徒が自分たちでつくった体育祭」として成功。 ・教員主導ではなく、生徒主体の運営モデルを体現できた。 ■できなかったこと 進行の不備・運営の乱れ ・当日の進行が予定通りに進まず、スケジュール管理が徹底できなかった 全員の納得感を完全には得られなかった ・投票や対話を導入したが、それでも一部の生徒は「自分の意見が十分に反映されていない」と感じていた。 公平性の課題 ・投票制度を導入したものの、多数派の意見が強く反映され、少数派の希望をどこまで救うかは課題として残った。 ・団長やダンス考案者など声の大きい立場の意見が優先されがちで、静かな生徒の意見を拾いきれない部分があった。 役割分担の不均衡 ・「挑戦の機会を広げる」という理念を掲げたが、当日の運営を見れば依然として一部の生徒に頼る構造が残っていた。 時間内にすべての議論を尽くせなかった ・ルールや演出の細部について、十分に全員で検討できなかった部分があり、委員会判断で押し切らざるを得ない場面もあった。 ・提案を受け付ける仕組みは整えたが、全てを平等に検討するにはリソースが不足していた。 「完成度の高い運営」には至らなかった ・教員や外部から見れば、失敗やトラブルも多く「スムーズな運営」という点では不十分だった。 ・生徒主体であるがゆえに混乱が生じることを避けられず、「大人が見て安心できる完成度」には届かなかった。 来年度に向けた改善余地を多く残した ・仕組みをマニュアル化したが、それでも「どうすれば全員参加をさらに促せるか」「進行を乱さずに主体性を守るか」など未解決の課題が残った。 |
組織について
組織体制(人数、部署) |
生徒会執行部(66人)→体育祭実行委員長(1人)→体育祭コアメンバー(4人)→それ以外の生徒会執行部執行部→生徒の運営メンバー(27人) 全校生徒(1030人) |
任命方式(選挙システム、または希望制なのか) |
体育祭実行委員長の任命方法 ・執行部ないだけでの選挙があり、最低で20名の推薦が必要(選挙後に選出された人が20名の推薦者を募る) 生徒会執行部 希望すればだれでも入れる |
「顧問/学校」と「生徒自治活動の組織」との関係 | |
評価(1~5点) | 5点 |
なぜその評価になるのか | 先生が生徒と対話しようとしてくれているから |