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障害は「支えられる側」なのか。できる側/できない側をやめるという提案

2026 2/04
コラム
イベント企画 販売促進

今回の企画では重度といわれる障がいや、日常生活に大きな制限を伴う状況を否定するものではない。その点は、まず明確にしておきたい。

なぜこの企画を行ったのか

ACTの代表である私は、精神障がい者保健福祉手帳2級を所持している。交通事故による後遺症が原因である。事故のあと、私は「配慮が必要な人」になった。それ自体は事実であるし、配慮があるからこそ学業や活動を続けられている場面もある。

しかし同時に、どこかでこう感じていた。障がいを持っているという事実だけで、「できない人」「支えられてる人」という箱に入れられていないだろうか。手帳の等級、診断名、ラベル。それらが先に提示されることで、その人の可能性よりも「制限」が先に語られてしまうことがある。

障がいを持つ=できない人なのか

私は、それに強い違和感を覚えていた。絵が下手な人が、絵が上手い人に頼る。それと何が違うのだろうか。誰もが得意と苦手を持っている。そして状況が変われば、役割も変わる。ある場面では支えられる側であっても、別の場面では支える側に立つことがある。それは障がいの有無とは関係なく、誰にでも起こることである。

もちろん、障がいを持っている以上、配慮が必要な場面はある。それは社会が整えるべき前提条件であるのではないかと考える。

しかし、配慮があることと、役割が固定されることは違う。配慮を受ける存在であると同時に、誰かを支える存在にもなれるのではないか。自分が誰かに支えられる瞬間があるなら、別の場面では自分も誰かを支えられる側に立てるはずである。その関係性を、言葉ではなく体験として提示したい。そう考えて、この企画を始めた。

店舗の構造

今回の店舗では、身体障がいや精神障がいを持つスタッフだけでなく、障がい者手帳を持たないスタッフも含め、複数のメンバーが企画の立案や調整に関わり、当日は店舗スタッフとして運営を担った。来場者の案内や体験の説明など、企画を成立させる役割をそれぞれが分担していた。

つまり、この場には「支える側」と「支らえる側」という固定された役割は存在していない。障がい者手帳を持つ人も持たない人も、それぞれが“場をつくり、体験を来場者に届ける側”に立っていた。

今回のブースには、複数の団体が参加している。手話サークルさんは手話を広げる体験を行い、想さんは日常生活の不便さを体験してもらう企画を実施した。株式会社ユナイテッドサークルさんは、障がいを持つ子どもたちが描いた絵の販売を行った。それぞれの企画には、それぞれの目的がある。手話を広げること。日常生活の困難を知ってもらうこと。子どもたちの表現を社会に届けること。

しかし、それらの活動が同じ店舗の中で成立することで、もう一つの関係が見えてくる。それは、「障がいのある人は助けられるだけの存在ではない」ということである。人は状況によって役割を行き来する。ある場面では支えられ、別の場面では誰かを支える。今回の店舗では、障がいを持つスタッフもまた企画を考え、場を整え、来場者に体験を届ける側としてその役割を担っていた。

まとめ

「できる側」と「できない側」。

社会はしばしば、この二つの言葉で人を分けてしまう。しかし、本当にそんな線は引けるのだろうか。人は誰でも、できることとできないことを持っている。ある場面では助けられ、別の場面では誰かを助ける。その関係は常に入れ替わり続けている。

それにもかかわらず、「障がい」という言葉が付いた瞬間に、人は一方的に「助けられる側」に置かれてしまうことがある。今回の企画は、その前提を少しだけ疑ってみる試みであった。

障がいのある人が特別に「できる」ことを証明するための企画ではない。そうではなく、そもそも人の役割は固定されたものではない、という当たり前の事実を見直すための企画である。「できる側/できない側」という線引きをやめたとき、支え合いは特別な行為ではなく、日常の関係として見えてくる。

今回のブースが社会を大きく変えたとは思っていない。しかし、もしこの場所で、「できる側/できない側」という言葉に一度立ち止まる時間が生まれたのであれば、それだけで十分意味はある。

この企画は、障がいのある人を変えるものではない。社会の見方を、ほんの少しだけ動かすための試みである。

筆者:ACT代表

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