「厳しい選抜と自由な挑戦」Andre Marchiano Levinさん
ACTでは、世界各地で行われている生徒自治活動に注目し、その仕組みや背景、挑戦のリアルを取材・発信しています。(世界の生徒自治)
今回ご紹介するのは、インドネシアで生徒会を経験したAndreさんのインタビューです。
組織構成:36人の精鋭チームで運営
Andreさんの学校では、36人で生徒会が構成されており、うち24人がイベント運営、12人がルール作成を担当するという明確な分業体制が敷かれています。
生徒会に入るには「応募書の提出」「筆記テスト」「面接」「宗教に関するテスト」に加え、「1週間にわたる訓練プログラム」の受講が必要です。これらを通過した36名の中から、さらに生徒による投票によって4人のコアメンバーが選出されます。

活動資金:学校予算+スポンサー支援
活動費は、学校からの支援(30%)に加え、イベントでの物販収益や、大手ブランドからのスポンサー協賛によって成り立っています。予算の一部を自らの活動で生み出す仕組みが特徴的です。
意思決定:生徒の議論+教員の最終判断
方針決定においては、生徒同士で2〜3時間にわたる会議を実施。しかし、最終的な決定権は教員側にあるとのこと。「議論の時間は長くても、最終判断は教師に委ねられる」という構造に、葛藤を抱える場面もあるそうです。日本と同じですね。(参考:日本の生徒自治)
挑戦と工夫:「訓練制度の廃止」「新イベントの導入」
Andreさんたちは、生徒会に入る際の訓練制度の廃止や、新たなイベント(例:コンサート)の企画・実施を通じて、生徒会の柔軟性と創造性を拡げようとしてきました。その一方で、「教師から許可を得ることの難しさ」が大きな壁として立ちはだかっていたと話します。
今後の展望:「上下関係のない生徒会」へ
Andreさんが今後目指すのは、生徒会内におけるフラットな関係性の構築です。厳しい序列や上下関係ではなく、協力と尊重をベースにしたチーム運営を志しています。

編集後記
厳格な選抜を経て構築されたインドネシアの生徒会は、日本のそれとは異なる制度と課題を抱えつつも、「挑戦したい」という想いを確かに形にしていました。今後も、世界各地の“自治活動”を伝えていきます。
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